第160章

ペンダントは魔法装飾品ではあるが、せいぜい一般的な防御系の品で、転移の機能など付いていない。だがアリシアは、公爵の前で自分の力を露見させるわけにはいかず、それを取り出して目くらましにした。

公爵領からサン・ロット城までを一息で飛ぶなど、さすがのアリシアでも呪文なしでは無理だ。だから彼女はまず、城から遠く離れた平原へ自分を転移させ、そこで改めて詠唱を始めた。

今回使う転移魔法は、術者が「一度でも訪れたことのある場所」ならどこへでも飛べる。理屈の上では魔力さえ足りれば行き先は問わない。だが消費は転移陣よりはるかに重い。たとえばフランクのような第7級魔術師が全魔力を注ぎ込んだとして、せいぜいサ...

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